読了。とても良い本でした!こういう文章を書けない自分が情けない。

「そしてわかったことは一つ。世界に声なき者はいない。ただ聞かない者、聞こうとしない者がいるだけだ。」(五頁)

「いわゆる「声なき者たち」とは、声を聞かない者たちがつくりだした「沈黙」であるということだ。」(四四頁)

「かつて、わたしは声を出せないマイノリティたちに対して人文学は言語を与えることができ、それゆえかれらが政治的存在になるために貢献できると考えていた。しかし今では考えが変わった。(…)それゆえ政治的存在として、わたしたちが投げかけるべき問いは「かれらは語ることができるのか」ではなく「わたしたちは聞くことができるのか」である。」(一〇九頁)

それにしても最近読むものにしばしばディオゲネスの逸話や魯迅の作品が出てくるので、だんだん気になってきた。