「臨床記号論」という授業の準備で表情論の勉強。カッシーラーに始まる(?)知覚の基底的経験として表情知覚を置くという議論。学部生向けにどう料理するか……

恣意性の神話―記号論を新たに構想する

恣意性の神話―記号論を新たに構想する

 
示しの記号―再帰的構造と機能の存在論のために

示しの記号―再帰的構造と機能の存在論のために

  • 作者:菅野 盾樹
  • 出版社/メーカー: 産業図書
  • 発売日: 2015/09/09
  • メディア: 単行本
 
表情 (弘文堂・思想選書)

表情 (弘文堂・思想選書)

  • 作者:広松 渉
  • 出版社/メーカー: 弘文堂
  • 発売日: 1989/03
  • メディア: ハードカバー
 

 

読了。

学校で行われているp4cを中心に哲学対話についてその意義や効果を説いてくれる本でわかりやすいです。ただ、一歩引いてみるとこの手の本(哲学対話関連本)、出すぎている感じがするのでちょっともう……という感じがしなくもないです。

僕らの世界を作りかえる哲学の授業 (青春新書インテリジェンス)

僕らの世界を作りかえる哲学の授業 (青春新書インテリジェンス)

 

講演&質疑応答ということもあり、バザーリアの主張がわかりやすくまとまっていて勉強になりました。胸が熱くなるところもありますね。フランスの「制度精神療法」(本文では「施設精神療法」と訳されている)への批判も語られているので、資料的な価値もあるかな。ただバザーリアの見解と制度精神療法とでは治療をめぐって論点や議論の水準が噛み合ってないので、批判としてあまり妥当だとは思えないけど。このズレを意識しつつ、引き続き追っていければ。

バザーリア講演録 自由こそ治療だ!――イタリア精神保健ことはじめ

バザーリア講演録 自由こそ治療だ!――イタリア精神保健ことはじめ