学会、研究会、見学、公募書類などなど、イレギュラーなスケジュールが数週続いていたが、ようやくひと段落という感じか。さまざまな場所に行き、さまざまな人に出会えて楽しかったが、緊張しいなので立て続けだとさすがに疲れる。体調まで崩したが、おかげで頭がこんがらがり混ざり合って、自分の思想のなかに「詩的なもの」を位置づけられるんじゃないかなという思いになってきた。実感にそぐわなかったのでずっと「詩的なもの」を避けてきたが、ここに来てそういうものがこの世界にある理由のしっぽがつかめたような気にがする。しばらくこの感じに身を任せてみよう。認識が深まることもあるかもしれない。実験精神で。

ガタリ研究関連でカフカ一気読み。世界観が細部の知覚にしっかり反映されていて、こんなにしっかり描く人なんだと認識を改めた。なんとも異様な分析を延々と続けられる能力も凄まじく、読んでるこっちが息切れしてくる。長編は対話篇なんだなと思う。『訴訟』と「歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠族」は声を出して笑ってしまった。ちなみにカフカは23歳の時に法学の博士号を取得している。

「ドクター・カフカはまるで二十日鼠のように、ひっそりとめだたずに消えていかれました」