気づいた限りで

翻訳は作業が煩雑なのである程度の間違いや不統一は仕方ないと思うのですが、とはいえそこそこ値の張る商品でもありますし、読者のために(読者がいるとして…)気づいた限りで挙げておきます(文章レベルのものは解釈に関わるのと、端的にしんどいので挙げません)。みすず書房さんが図書券くれたりして。

『アンチ・オイディプス草稿』:誤字・脱字・誤訳レファレンス

四三頁:後ろから七行目の「反生産的」→ 原著ではimproductifのため「非生産的」(anti-productionがあるので訳し分け)
四五頁:後ろから七行目の「分裂症化」→ schizoïdisationのため「分裂気質化」とか「スキゾイド化」とか(schizophréniserとの訳し分け)
四六頁:後ろから九行目の「超自我の受け入れ条件」→ donnéのため「条件」ではなく「与件」
六五頁:後ろから七行目の「形態」→ formeだがイェルムスレウの概念として使っているようなので「形式」(ここ以外の場所では「形式」)
六五頁:後ろから四行目の「限定的な」→ illimitativeのため「非限定的な」
七七頁:四行目の「言表」→ énonciationのため「言表行為」
七八頁:二行目の「言表」→ 同上
七九頁:五行目の「言表」→ 同上
一一〇頁:最後の行の「別の機会」→ une autre machineのため「別の機械」
一四七頁:本文最後の行の「契約的操作」の後、原著にある( )部分の訳が脱落
二八九頁:後ろから八行目の「その一方で」の前に、原著にある一文が脱落
三一四頁:八行目の「シニフィエン」→ signifiéのため「シニフィエ
三二〇頁:図のIについているeのようなものは原著ではc

・「幻想」:illusionとfantasmeで訳し分けなし
・sémiotique:「記号学」と「記号論」が混合
・groupe sujet:「グループ主体」(八三頁:四行目)、「集団主体」(三三四頁:二行目)、「主体集団」が混合