飢え

共生の授業には動物たちとの共生という話ももちろん出てきて、犬や馬、クジラやイルカを食べることについての文化的・倫理的な話題が持ち上がる。さらには牛や豚などの家畜もどうなのか、商品や生産物として飼うことに倫理上の問題はないのか、ベジタリアンになればいいのかという話になる。はたして動物とのフェアな共生関係とは何なのか。

こういう議論をしているうちに、「あぁそうか、僕たちはひどく飢えた経験をしてないんだなぁ」と思いいたる。第二次大戦の日本の戦没者の大半は餓死だったという。飢饉にだって幾度も襲われている。人肉まで食べたという話もある。こういう場面に置かれた時に、動物に対する倫理は崩れるのだろうか、それとも別の形を取って立ち現れるのだろうか。