『ぼくの好きな先生』など

共生に関する授業をしているせいか、そっちに偏ったチョイスに。

良い作品。ゲイ、レズビアンと炭鉱労働者の連帯が主題だが、ゲイ、レズビアンに接して炭鉱町の女性たちが解放感を得ていく辺りが見もの。
 

9・11以後のアメリカの移民もの。
 

時代は70年あたり。脳性まひの人たち(『青い芝の会』)のドキュメンタリーでもあり、街で彼らをまなざす人びとについてのドキュメンタリーでもある。女性が運動の主体として表立って出てこない点は時代か。
 
共生の授業をやってると差別の問題を扱うことになるんだが、差別というのは論理よりも感情に軸足があるんだなぁと改めて知る。学生が「ヘイトスピーチをするような連中は嫌い」というとき、憎しみをもって憎しみに応えるような言い分になっていて、どこか泥濘にはまったような感じを受けてしまう。感情に理屈をぶつけても、うまくいって抑え込むことができる程度で、憎しみを解消することまでできるかというと、実際にはなかなか難しいんではないか。排除の憎しみを共生の喜びに変えることはさらに難しいと思う。湧き上がってくる感情をどうするか。厄介な問題。


Etre et avoir ぼくの好きな先生 [DVD]

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ニコラ・フィリベールのドキュメンタリー。
フランスでは結構ウケたらしい。