久しぶりにドバっと本を買う。

もちろん全部読みたいが、半分は積ん読に回りそう。

あぁーーー、研究を度外視して見境なく本を読みたい!

しかし、冷静に研究のことを考えるともっと海外の文献を読まなければならない。語学に苦手意識が強いので避けがちになってしまうな……

 

読了。悪場所・黄金町の徹底的な浄化を行った「バイバイ作戦」を基点にそれ以前の歴史とそれ以後の歴史を扱ったルポ。

エスノグラフィーや生活史が広く(?)読まれるようになってきて、当事者や生活者の語りの厚みや陰影に慣れてくると、こういった出来事や事実ベースで語りの少ないルポは少し薄味に感じてしまうようになってしまったが、2014年の本だから仕方がないのか。

黄金町エリアマネージメントセンターへの強い批判もあって、なるほど確かにそう感じる部分もあるなぁと。エリマネ側としては批判されるのはしんどいでしょうが、批判者が全くいないというのも方向性を見失い、裸の王様になってしまう一因なので、批判があるのは良いことかと思います。

黄金町クロニクル

黄金町クロニクル

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私の携わっているガタリ研究は長きに渡りプレイヤーが少なく、クリティカルな批判がまだまだ出にくい領域で、私も〈野放し〉に近い状態なので自己批判しつつ方向性を見失わないようにしないとです。

ちなみに先日向けられた批判は「ガタリ研究者は自分の殻に閉じこもりがちで他人の話に耳を開こうとしない」です。研究への批判というよりは、研究者の人格の傾向性への批判ですね。広く研究活動や研究コミュニティのことを考えると考慮すべき観点ですが、まだこの地点かぁ~とも言えますね。専門が細分化して相互浸透が滞っている状況という感じか。

それぞれの専門が超高度なので、自分の専門をしっかり学ぶだけで時間も労力もかかるし、専門外のことを一定の水準で学ぶのもハードルが高いので、難しいところもあるけど、深みだけでなく広がりも大事なのが学問や知の在り方と思って頑張らんとなぁ~。

脱線しましたが、引き続き黄金町モノを読んでいきます。