授業:対話の哲学【座学篇】資料

以下が、哲学対話などの対話実践に応用できるかどうか。

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セラピストが援助的関係を作り出すための自問集

「援助関係の特徴」より抜粋(『ロジャーズが語る自己実現の道』所収)

 

1.私は、他者からの信頼に値すると受け取られるような、つまり深い意味で、頼りになるとか矛盾なく一貫していると受け取られるようなあり方でいることができるだろうか?

2.私は、自分がこのような人間であることが相手に明らかに伝わるように、自分を十分に表現できているだろうか?

3.私は目の前にいるこの他者に対して、温かさ、配慮、好意、関心、尊重といったポジティブな態度を経験することができるだろうか?

4.私は一人の人間として、他者からまったく別個に存在できるほど強くいることができるだろうか?/他者の感情や要求を尊重するのと同じように、自分自身の感情や要求をしっかりと尊重することができるだろうか?/私は他者の感情とは別に、自分自身の感情を自分自身のものとして持ち、必要なときはそれを表現することができるだろうか?/…略…

5.私は、相手が私とは別の存在であることを許せるほど、自分の中で十分に安定しているだろうか?/私は、相手が正直だろうが噓をついていようが、子どもであろうが大人であろうが、絶望していようが自信過剰であろうが、その人自身であることを許容できるだろうか?/…略…

6.私は、相手の感情や個人的意味の世界の中に十分に入っていくことができ、そして相手が見ているがままの世界を見ることができるだろうか?/…略…/私は、相手にとってかけがえのない意味を踏みにじることなく、その中で自由に動きまわれるほど、感受性豊かにその中に入ることができるだろうか?/私は、相手にとって明らかになっている体験の意味だけでなく、暗々裏なものでしかなかったり、本人にははっきり見えていなかったり、混乱させられるようなものであっても、その意味をとらえることができるほど、相手の世界を正確に感じ取ることができるだろうか?

7.私は、相手の人そのものを受けとめることができるだろうか?/そうした態度を相手に伝えることができるだろうか?/それとも相手の感情のある側面だけを受容し、それ以外の面については暗に、あるいは公然と認めないような条件つきの受容しかできないだろうか?

8.私は、関係の中で相手に脅威を感じさせないような十分な感受性をもって行動することができるだろうか?

9.私は、外的な評価の脅威からクライアントを解放することができるだろうか?

10.私は、この他者が生成しつつある過程にある人だということを前提にして、その人と出会うことができるだろうか?それとも私は、その人の過去や私自身の過去に束縛されてしまうだろうか?