読了。黒人と白人の人種的な差別構造・権力構造だけでなく、カリブ海のフランス領(つまり植民地で、かつアフリカでもない)マルチニック島出身の黒人とはどのような存在なのかという問題が絡んでくる。さらにファノンが精神分析を学んだ精神科医なのでさらに複雑さが増す。といっても1952年の著作なので、まだ現在の議論よりはシンプルか。

黒人の歴史を背負わず、黒人/白人の二項対立を超えて人間として……というようなファノンの帰結が出てくるが、こうした考えが白人に流用され、21世紀には「カラー・ブラインド」という用語が出てくるという流れがうかがえる。

こちらも読了。問題の立て方など、学ぶところが多いです。

 

最近、哲学書らしい哲学書を読んでない気がするので、そろそろ何か読もうかな。