親族研究・婚姻研究の古典、ようやく読了。19世紀後半の著作のため知識としては古いはずなので真に受けることはできないが、それでも良い勉強になりました。本筋とは少しズレる点で興味深かったのは、現在では家族を表すfamilyのもとの意味が、家父長制家族のもとで働かされる奴隷や僕婢の団体のことだったとか......
この著作に先立ってバッハオーフェンの『母権論』が出ていて、このもっと後にレヴィ=ストロースの『親族の基本構造』があり、それを受けてエドマンド・リーチのレヴィ=ストロース批判が出てきて、そのリーチの親族論を応用的・横断的に使う『アンチ・オイディプス』と『ミル・プラトー』へといたる、という関連性か。大雑把やけど。
- 作者:L.H.モルガン
- 発売日: 1961/09/05
- メディア: 文庫
ついでなのでモーガン『古代社会』に強い影響を受けたエンゲルスの著作へと移行。マルクスにも『古代社会ノート』というのがあるようです。
- 作者:エンゲルス
- 発売日: 1999/07/01
- メディア: 単行本
Jacques Shotteの”Le transfer, dit fondamental de Freud pour poser le problème : psychanalyse et institution” 読了。ガタリが『精神分析と横断性』あたりでときどき名前を出していた人なのと、タイトルがそそるので期待していたが、「制度」に関してはあまり踏み込んだ議論がなくてガックリ......
電車通勤用で読了。