今週末のDG-Labにて合評会があるということで読了。
■良い点や自分が学ぶべき点
・カントとドゥルーズのあいだでの感性論のリレーを追う執拗さ!
・第Ⅱ部での職人技的な緻密な(?)テキスト読解
・二次文献への目配りとその使い方
■イマイチな点や検討し直せばさらに良くなりそうな点
・自然哲学を押してる割には自然哲学についての論証が量的に少なく、かつ雑なところ(Ⅲ部、〆の六章で失速か?)
・その反面、超越論的経験論を引っ張りすぎ
・〈カント ‐ 感性論 (超越論的経験論)‐ 自然〉のセットへの焦点化が強すぎて、他の要素への目配りが欠けてしまい、全体的にドゥルーズ哲学の平板化に向かってしまっているところ
・また、自然哲学だと言おうとしすぎて、選んでいるトピックが恣意的。MPのリトルネロ論で雀蜂‐蘭の例やハバシニワシドリの例だけを選ぶのはどやねん???MPでは感性論に関わる「表現」概念には「神の裁き」という側面もあり、法的・神学的な要素も含んでいるが、取り上げられずに終わっている)
・MPでは「機械」は単に自然のなかの要素ではなく、「反自然の融即」をもたらすものでもあり、機械概念と自然概念の緊張関係はもっと意識しておく方がよいのでは?(最終的に「大自然」という言い方で統合されるにしても)
・Ⅰ部、Ⅱ部で伏線的にちょい出しされている(ように見える)「自然」概念がⅢ部で回収されないまま(カントの目的論的判断力論はたしか有機体論でもあるので、非‐有機体論をうたうドゥルーズの自然哲学の立場から、このあたりの論点に言及してほしかったなぁ)
一読で思うのはこんなところです(言い過ぎ…?自分の研究に活かせる部分もありましたよ~!)。
合評会でどんな話が聞けるか、楽しみにしております。
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