イェルムスレウのイベント、無事終了しました。

原稿を書きながら「こんな古くてマニアックなテーマ、誰が興味あんねん」と正直思いましたが、蓋を開けてみれば50人近い人が聞きに来てくれて驚きました。オンラインのおかげもあるでしょうが、近年は本当にいろんな哲学思想が活発で、昨日も○○の分野では「日本は三周遅れです」とか言われたりして、フランス現代思想も少しずつ過去のものになりつつあるように感じていましたが、まだまだ関心を持たれているようで、少し安心しました。参加していただいた皆様、ありがとうございました。

人文系の研究者としてはもちろん流行り廃りとは関係なく、たとえマニアックでも価値のあることをしっかり時間をかけて追及するというのが営為としては大切で、それが多くの人に共有されているのは嬉しいし、ありがたいです。一方で、そういった価値のあることを自分(たち)の考えで(批判-継承-創造して)過去のものにしてやるんだという気概も少しはないとなぁとも思ったり。50代になる頃には哲学者として少しくらいはそれを果てせていれば。

まぁ、なんにせよ今回ガタリのイェルムスレウ論をまとめる機会をくれた平田君に感謝します。ありがとうございました!小川君ともご一緒できてよかったです。なかなかこのメンバー(吹田学派?)で一緒に発表する機会もないので、良い機会となりました。

会としては一人一人の発表は悪くなかったと思いますが、「イェルムスレウとフランス現代思想」という大枠以外に接点がうまく見い出せず、同じ土台であれこれと議論しづらく、質疑応答も各論になってしまったので、参加者もヴィジョンを持ちづらくて質問しづらかったでしょうし、ちょっともったいなかったかもですね。まぁ、『構造と自然』に結実していくグループ科研をやってみて土台作りには何年もかかるとわかったし、難題ではあるんですが、できたら面白いですよね。

残念といえばオンライン開催なので、議論の二回戦ができないのが少し消化不良というか、発表の手ごたえが少なくてモヤモヤが残りますね。

あとは個人的には鈴木先生の質問に時間内にうまく答えられなかったので宿題として持ち帰ります。「ガタリだけでもできないし、ドゥルーズだけでもできない、D-Gだけに/だからこそ見い出せる哲学・思想上のオリジナルな達成点とは何か?」。これは一朝一夕では答えられないですね……考えます。というか、ぜひみんなに聴きたい問いなので、DG-Labとかで懸賞論文として公募してみるとかw