『デュメジル・コレクション4』読了。
これでちくま学芸文庫のシリーズは読破!
デュメジルの考えは、神話に登場する人物たちは自然現象を擬人化し神格化した表象ではなく、社会現象を擬人化し神格化したもので、それぞれが社会機能を現しているという。
そのなかからデュメジルは、法や至上権を司る第一機能(主権機能)、戦争や武力を司る第二機能(戦闘機能)、多産性や富を司る第三機能(生命機能)からなる三機能説を見出す。というか、この三機能がインド=ヨーロッパ語族のさまざまな神話に(ヴァリアントを含めて)共通することを証明していくのが彼の仕事のようだ。
『ミル・プラトー』を読むうえでは第一機能(主権機能)と第二機能(戦闘機能)の関係が重要だと思うが、読んだ限りでは第二機能と遊牧民の関係についてはデュメジルは論じてなかったなぁ~。
『心的外傷と回復』も読了。
解離やトラウマについて、症状や回復に関してだけでなく、歴史的・社会的・政治的な背景も絡めてまとめられていて、非常に勉強になりました。またミーティング論としても参考になりました。セルフ・ディフェンスのトレーニングについての情報はもう少し欲しかったかな。
おまけにこちらも読みました。「陰口は心の換気」だそうです。タイトルの「刺繍」の意味には意表を突かれました。