ガタリ『逃走線』読了~。
『アンチ・オイディプス草稿』で、第一次分節/第二次分節/第三次分節というふうに分けられていたものが、『逃走線』では合成a/合成b/合成cという区別になるのね。なるほど!
あと「集合的装備」という概念は今後使っていきたいなぁと思います。
『逃走線』は『機械状無意識』と同時期に書かれたもので、『機械状無意識』と同じ部分もあるし、より優れている部分もあるし、より物足りない部分もあるので、両方で補い合うように読むのをお勧めします。
そういえば後輩が「スキゾ分析の初期設定」を読んでくれたようで、「わかりやすかったけど題材が古いですね~www」とコメントをくれたwww
まぁ、このところずっとやってることはスキゾ分析のリバースエンジニアリングやからなぁ~。研究の性質上、新しくならんのよ。新しいことは別の人に期待してくれ!
あ~、早くスキゾ分析を実践できるようになりたい。
今日は久しぶりに映画を観てきました。邦題は『セメントの記憶』です。
Trailer | Taste of Cement | Ziad Kalthoum
シリア内線から逃れてきたシリア人労働者が働くベイルート(シリアの隣のレバノンの首都)の天空に伸びる高層ビルの建築現場と、廃墟と化したシリアの都市を対比的に描くドキュメンタリー。
ドキュメンタリーなんやけど、映像の構成は美しくもあり、また背景音の構成を非常に工夫していて、心象風景のよう。観に行く人にはぜひ音に意識を向けてほしい。
人の語りは極力排し、建造物(建造中のビルと崩壊したビル)や機械(建築用重機と戦車)などに重点が置かれるので、生活感のない非人間的で硬質な描写が延々と続くが、時折そのなかに子どもの叫び声が混じる映像が入ってくるので、うぐぐぐぐ……となります。
劇場の予告でこれが流れてました。次はこれ観に行こう!人間味のあるものが観たいわ。