読書

村上先生の『在宅無限大』を読みました。

看護実践の話はおもしろい部分もあるけど、やはりその領域特有の感じ方・考え方・行為の仕方があるので、読んでいると僕宛ての本ではないなぁと思ってしまう部分も大きい。しかし、今回は訪問看護と在宅での看取りがテーマだったので「家」の話が多くて興味深かった。「家」に関しては個人的に関心(というか引っかかり?)があるのと、精神科のグループホームで働いていたことともシンクロして共感するというか、語彙を共有する部分が多かった。

とはいえ、もちろん異なる部分も多く、「死」を介すると「家」はこういう風に見えてくるのかという点は新鮮だった。「家」は人によっても、ライフステージによっても、心身の状態によっても、社会の状況によっても独特の様相を呈するので飽きないトピックだと思う。「家」の話は厄介で、その分おもしろいですよね。

あと、「在宅無限大」って言葉は制度精神療法で使われる「コレクティフ」という概念に通じるなぁと思った。「家」のなかにあるモノって、ほんとに「分散した転移」の寄せ集めやもんなぁ。

以上、雑感でした。